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放射性医薬品の研究開発

Radiopharmaceuticals

放射性医薬品の研究開発

革新的な「見える」がん治療:LMのチャレンジ

これまでのがんに対する放射線治療や化学療法では、治療効果が十分でない、正常細胞に対する副作用が大きいといった問題がありました。一方、私たちは、こうした問題を克服しうる『銅の放射性同位体64Cu(カッパー64と読みます)を用いた放射性医薬品』を開発してきました。64Cuは、従来の放射性治療薬で使用されてきたベータ線のほかに、オージェ電子という特殊な放射線を出し、がん細胞を高いエネルギーで効果的に治療できます。また、64Cuは陽電子も放出するため、陽電子放射断層撮影(positron emission tomography; PET)診断で非侵襲的にがんへの薬剤集積を確認しながら治療(見ながら治療)することができます。

64Cuによる革新的「見える」がん治療薬のイメージ

さらに、64Cuはがんと高い親和性を示す様々な分子に結合させることが可能なため、がん特異的に効果を発揮する多様な医薬品を持続的に創出することができます。私たちはこうしたユニークな特徴を持つ64Cuを用いることで、『革新的な「見える」がん治療』の社会実装にチャレンジします。

64Cu医薬品の持続的発展

64Cu-ATSM:国産放射性治療薬として初の国内臨床試験を実施中

64Cu-ATSM

悪性脳腫瘍は、既存の治療法では十分な効果が得られず、新規治療法の開発が強く望まれています。これまでの治療が効きづらかった原因として、腫瘍内部が酸素の乏しい低酸素環境になり治療抵抗性になることが知られています。

これに対し我々は、低酸素環境にある腫瘍細胞に集積し高い治療効果を発揮する64Cu-ATSMを研究開発し、がん細胞株移植モデル等を用いた非臨床試験で64Cu-ATSMが低酸素状態にある悪性脳腫瘍の増殖を抑制し、生存率を改善することを示してきました。

こうした背景から、64Cu-ATSMが悪性脳腫瘍に対する新たな治療薬となることが期待され、現在64Cu-ATSM治療の第1相医師主導臨床試験が実施されています。本試験は、国産放射性治療薬として初の国内臨床試験となり、本薬の早期の実用化が期待されています。

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